ドル117円半ば、動きにくい展開続く

	午後５時過ぎのドル／円は、前日ＮＹ終値に比べて上昇し１１７円半ばで取引されている。市場筋によると、ドル／円は、前日海外市場からのドル買い戻しの地合いが続いているほか、当局による円売り介入観測などを下支えに、底堅く推移している。 ただ、イラク情勢をめぐる不透明感が強いほか、短期筋などの戻り売り意欲やクロス円に絡む需給により、ドル／円の上値は限定的だ、との見方も根強い。このため、夕方の市場でも動きにくい展開となっている。 夕方の市場でドル／円は、１１７円半ばでもみあう展開となっている。 市場では、「１１７円ちょうどはきのう何度もトライして抜けなかったこともあり相当堅いが、ドルを買い上げることも難しい。きょうの東京市場では動きにくくなってしまったが、海外市場で再びドル売りの流れが強まるか注目したい」（上位都銀）という。　 複数の市場筋によると、ドル１１７円割れの水準では、ストップロスのほか、ノックアウトなどオプションに絡むトリガーが観測され、「大きいアマウントのものもある」（上位都銀）との声も聞かれ、「１１７円を割り込んでくると、一段と下げ加速が予想される」（都銀）との見方も聞かれた。 きょうのドル／円は、前日海外市場からのドル買い戻しの地合いが続いたほか、当局による円売り介入観測などを下支えに、１１７円半ば近辺で底堅く推移。「円売り介入に対する神経質なムードのほか、イラク情勢に絡み、イラク戦争回避に向けた姿勢なども見られ、買い戻し地合いとなっている」（国内証券）という。 ただ、１１７円半ば以降には、輸出筋や短期筋のオファーが並んでいるとの指摘が出ているほか、「クロス円に絡む利食い売りニーズが、ドル／円の頭を重くしている」（都銀）といい、ドル／円の戻り余地は限定的との見方が多く示された。 市場筋によると、財務省・日銀は、２５日に１ドル＝１１７円付近でドル買い／円売り介入を実施したもよう。 このところのドル／円の下落については、前日の塩川財務相発言のほか、円安期待の後退やクロス円売りなどが指摘されている。「１１７円水準では、介入期待の買いのほか、輸入筋の買い意欲が高まりそうだ」（都銀）との声が聞かれる一方で、「海外勢などの円売りポジションの巻き戻しについては、一巡感がまだ出ていないのではないか」（外銀）との指摘もあった。